Toodery トゥドリ
AIと一緒に作った感情記録アプリ
開発者ではないUX/UIデザイナーが、AIと協働しながら、企画、UX設計、UIデザイン、ブランディング、キャラクター制作、LINEスタンプ制作・公開、実装、App Store公開までを1人で行ったプロジェクトです。
一日の感情を、負担なく残すための小さなジャーナル
Toodery(トゥドリ)は、長い日記を書かなくても、その日の気分を選び、一言だけ残せる感情記録アプリです。キャラクター「トゥドリ」が、ユーザーの感情を評価せずに静かに受け止めます。
感情記録は続けたい。でも、書く負担が大きい。
多くの感情記録サービスは、記録する内容が多く、継続するほど入力が負担になりやすい。ユーザーが本当に求めているのは、深く分析されることではなく、感情を軽く置いておける場所ではないかと考えました。
課題
- 日記を書く心理的ハードルが高い
- 入力項目が多いと継続しづらい
- 感情を整理したいが、重い体験にはしたくない
仮説
ユーザーは長い文章を書きたいのではなく、「今日はこうだった」と軽く残したい。1日1行でも記録として十分成立するのではないか、という仮説からUXを設計しました。
小さく試しながら、記録体験の負担を見つける
このプロジェクトでは、大規模なユーザーインタビューや定量調査は行っていません。個人プロジェクトとして、感情記録・ジャーナル系サービスを実際に使い、記録を始めるまでの負担や継続しづらさを観察しました。
Research
Day One、Reflectly、Daylioなどの感情記録サービスを使い、記録方法、入力項目、継続導線、振り返り体験を比較しました。
- 自由記述型の記録体験
- AI質問や振り返りを促す体験
- 感情選択を中心にした記録体験
Insight
既存サービスは機能が豊富な一方で、長い文章、複数の入力項目、継続的な記録要求が、記録を始める前の心理的なハードルになると感じました。
- 記録を始めるまでが重い
- 記録が途切れると再開しづらい
- 感情だけを軽く残したい瞬間がある
長い日記ではなく、感情選択と一言だけでも、
十分に感情を残す体験になるのではないか。
感情選択を中心にした、最小入力のUX設計
MVPでは、記録行為をできるだけ軽くすることを優先しました。複雑な分析機能よりも、ユーザーが毎日触れる入力体験と、振り返りや共有のしやすさに集中しました。
感情を選ぶ
12種類の感情状態から現在の気分を選ぶことで、言語化の負担を下げました。
一言だけ残す
長い日記ではなく、短いメモだけで記録できる構造にしました。
履歴として振り返る
記録した感情を時間順に確認できるようにし、日々の変化を軽く見返せる体験にしました。
画像として共有する
記録した感情を画像として保存・共有できるようにし、アプリ外にも体験を広げました。
評価しない、ただ聞いてくれるキャラクター
トゥドリは、ユーザーを励ましすぎる存在ではなく、感情をそのまま受け止める距離感のキャラクターとして設計しました。
キャラクターコンセプト
トゥドリは、感情を分析したり解決したりする存在ではなく、ユーザーの気持ちをそのまま受け止める存在として企画しました。
多くの感情ケアサービスが解決策を提示しようとする中で、トゥドリは「ただそばにいる」キャラクターを目指しています。
Design Principles
- 判断しない
- 負担をかけない
- いつでも親しみやすい
- 完璧すぎない
- ユーザーの感情に寄り添う
丸いフォルム、やわらかい色、控えめな表情で、心理的な安心感が伝わるように設計しました。
感情表現システム
アプリの感情記録体験に合わせて、キャラクターの表情と反応を設計しました。
- ごきげん / いい感じ / まあまあ
- ねむい / 生き延びた / ぼーっとする
- しんどい / 感情バグ
ユーザーが日常で実際に感じる、曖昧で言語化しにくい感情をキャラクターで直感的に伝えることを重視しました。
IPとしての展開
トゥドリはアプリ内だけのキャラクターではなく、サービス全体のブランド体験を担う存在として設計しました。
- アプリアイコン / スプラッシュ画面
- 感情記録画面 / 空状態 / 共有画像
- App Storeスクリーンショット / マーケティング素材
- LINEスタンプの商品化
LINEスタンプの制作・公開
キャラクターIP拡張の一環として、日常会話で使いやすい感情表現を中心にLINEスタンプを企画・制作し、公開しました。
- ありがとうございます / おはようございます
- 大丈夫です / 応援しています
- 幸せです / 疲れました / 生き延びました
開発経験なしから、AIと協働して実装へ
このプロジェクトの大きな特徴は、開発者ではないデザイナーがAIを活用し、実際に動くiOSアプリとして公開したことです。AIの出力をそのまま使うのではなく、仕様を分解し、エラーを確認し、修正方針を判断しながら進めました。
Used AI Tools
- ChatGPT
- OpenAI Codex
- Cursor
Tech Stack
- Next.js / React / TypeScript
- Capacitor / iOS
- App Store Connect / TestFlight
企画・仕様整理
AIと対話しながら、機能アイデア、UX課題、MVP範囲、画面仕様を整理しました。
コード生成・修正
実装単位を小さく分解し、コード生成、エラー分析、修正を繰り返しました。
多言語化
日本語、韓国語、英語、中国語(簡体・繁体)の翻訳とストア文言を整えました。
TestFlightからApp Store審査まで、自分で対応
ビルドエラーの解決、Archive作成、TestFlight確認、App Store提出、審査対応までを行いました。
AIはデザイナーの実行力を拡張する
Tooderyは、感情記録アプリであると同時に、AI時代のデザイナーの役割を検証したプロジェクトです。企画者、デザイナー、開発者の境界を越えて、問題を解決し、実際に公開する経験を得ました。